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知人よりシギチの同定のための手描き図鑑なるものが出てきたので一部コピって渡された。いいのかと思ったが本当に手描きで、冊子というよりはイベントでほいと手渡されるようなモノだった。描き手は●本●鳥の会東●支部、年はあっとおどろく1962年。自分はまだ生まれてすらイネェ。
・ 手描きの羽を広げた所のイラストは白黒ながらかなり正確で、当時は鳥を撮る大型レンズなんてなかっただろーにと思う時を考えるとスゲェよく特徴が出てる。写真は写真で強力な手がかりになるが、こっちを持って鳥見人同士で同定眼を確認しあってたんだろうな。
・ そういう当時なもんだから同定のポイントは今よりも鳴き声に力点が注がれた書かれ方だったのが興味深い。「身体上面の特徴をとらえたら、
鳴かせて確認しよう」とか書かれてるのには苦笑するしかないか(シギチが日本で鳴くのは大抵警戒する時とか飛んで逃げるときだあとは推して知るべし)。
・ 当時はまだディズニーランドどころか高速道もなかっただろうし行徳はまだ漁業権があった頃だろうし、気にしないでいいくらいにわんさかシギチがいたんだろーなーとまだ生まれてもいない当時を髣髴とさせる。東●支部の冊子なのにムナグロやチュウシャクシギ(←内陸性湿地、田んぼのシギチ)が標準種扱いされているあたり、きっと船橋あたりは田んぼがたくさんあったんだろーなーと想像してしまう。今でも船橋市は郊外に僅かに残ってはいるんだが。
・ 逆に「珍鳥」扱いされている鳥の中には、今では毎年三番瀬で見られるミヤコドリとか、葛西で毎年数羽見られる(と言われてるがよく外す)オオハシシギがいたりして。ヨーロッパトウネンは触れられてもいないし、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギの同定はまだ無理だったみたいで、鳥の歴史でもあるし鳥見人の歴史でもあるんだーと、とても興味深くいただいた冊子の写しを読んだ。