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年寄りが増えれば死ぬ人間もそれだけ増える。死ぬ人間が増えれば人が死ぬことによって成立する商売が儲かる。…スッゲェ不謹慎な物言いだが葬式商売って今が旬なのかも。
一方、結構地域レベルでネックになるのが、葬式商売で使うインフラらしい。葬儀場やら火葬場は地元住民からしばし反対される。客商売が盛んな所ならイメージダウン、焼却灰、交通渋滞の発生etc。
また、最終的に遺体を安置する墓場についても住宅難が問題視されていたり、ある時遊んでいた社寺林があっちうまに墓場に造成されて湧水が枯れてしまったりとか悲しい思いをしたことがあったりするもんで。
で、ひょっとすると宮崎県の家畜伝染病問題も、コレがすげぇ問題じゃないのと思った。
感染した家畜は治療するのではなく殺処分が通常とられる方法である。ウィルスの分散を防ぐ上でとられる方法である。感染確認後から殺処分までの期間が長ければ長いほど、感染拡大のリスクは高まる。当たり前だ。
ところが、某日経の記事を読むに、感染した後に即座に殺処分されるわけではないらしい。それが前に挙げた葬式商売のネックと似通っており、即ち葬式業者(殺処分+埋設etcを行う専門家)の不足と、葬儀場・墓場の不足スナワチ埋設場の不足により殺処分が行えないんだとか。
牛一頭、オトナならば1トン。火葬できるような場所もないのでそのまま埋め立てることになる。殺処分の牛が10000頭なら(現状、桁が違いすぎ)1万トンの牛を埋める場所が必要になる。今後もっと増えることが予想されるし、家族経営で家畜を飼ってるヒトが提供できる土地面積を超えていると見ても間違いなさそう。地理的に埋設できる場所が用意できない地域もあるだろうから、これはでかい負担になる。
家畜を飼う人は「家畜を殺処分するリスクを負う必要がある」ということなのか。100%負う必要はないだろうが、産業を営んでいる以上全額負担はアリエナイ。
これをもう少し細かい所を詰めると、保険云々の話も出てくるだろうが、万一感染病が発生した場合は、速やかに殺処分等による封じ込めが適切に行われるよう、
① 家畜を飼う業者等は埋設する土地を、飼う家畜の頭数と種類に応じて用意する必要があり、
② 行政は埋設・殺処分が速やかに行われるよう、関連する専門家等(重機取り扱い業、獣医師、対応する役人etc)を地域に応じて確保し、
③ 全ての国民はこうしたパンデミックに協力する(消毒への協力、移動制限etc)義務がある、
ということかいな。
特に②は税金を突っ込めばなんとかなろうが、①は財産権の制限に係るので家畜伝染病予防法等関連する法律の改正が必要になるか。
過密な牧畜業自身、利用する飼料の多さや排泄物の垂れ流し等環境への負荷がでかいんだが、殺処分の必要が生じ、ある種泥縄的に土地が家畜の墓場として利用されるのは、なんか許容し難い。
極論を言えば、用意できる墓場の面積に見合った頭数制限が必要なんでないかと。土地利用の観点はもちろんのこと、殺処分(埋設含む)が近接地で速やかに行われ、感染拡大を防止するためにも。
(続いちゃう)