◆
東京に来ていた秋津後輩を迎え撃ち、適当に飲んで、別れる。そん時に出た鳥インフルの話だが、ちょっと気になったのでメモる。一部間違いあるかもしれんがチラシの裏だしご容赦。
・ 基本、鳥インフルエンザはどんな鳥でも保有している(強毒性、弱毒性問わず)。どんな鳥でも発症することがある。そして発症すれば大抵死ぬ(直接が原因でも間接的な原因でも)。これは人間が罹るインフルエンザとほぼ同じ。
・ 鳥インフルエンザが社会に悪影響を与えるのは、①養鶏場のニワトリが発症する場合と、②変異して人間にも発病するようになってしまう場合の2つか。
・ ①については、基本野鳥およびそいつからウイルスをもらって運ぶ野生動物全般と鶏を隔離する以外に回避する方法はない。運び役となる動物とは哺乳類はおろかハエさえもなれるらしく、完全回避はかなりの高コスト。低減策としては一箇所で飼う鶏の密度を減らすことだが、多分それには法整備が要る。逆に高密度で飼えば飼うほどウイルスの変異の可能性は高まる。鳥を餌付けしているような場所、野鳥と人との距離が近い場所では、ンコなどを介して人間がベクターとなる可能性は高まる(なのでハクチョウへの餌付けはやっぱり止すべきだと思う)。
・ ②については、日本でフツーに生活している限りでは、野鳥から人間に直接ウイルスが感染することはまずない。むしろ鳥インフルエンザ以外の病原菌を心配した方がいいくらい。なのでこっちからも餌付けはお止しになるべき。
・ 鳥インフルエンザはブタやウマにも「感染」する(ヒトインフルも感染する)。結果、変異を起こし、ヒトへ感染しやすくなるそうで。なので、ヒトと鳥(ニワトリ他)と家畜との距離が極めて近い地域では、①や②のリスクはぐんと高まる。
・ ヒトのインフルエンザが発生したら家で寝ていろという理屈と同じで、家畜や家禽の場合は発症したら隔離・殺処分しかない。治療はペットでもない限りやろうとしないだろう。ワクチンも完全ではない。高密度で家禽と家畜をいっしょに飼っているような地域、発症後の対応が遅い地域は、高いリスクを抱える(日本も過去に隠蔽した結果被害が拡大したという間抜けな前例がある)。
・ 野鳥の駆除は無意味とFAO。経済的に鎖国するより更に難しく、莫大な費用がかかる上に別の問題の発生を招く。地元アホ市民のガス抜きくらいにしかならない、百害あって一利もない。
・ 野鳥のみに話を限定させると、鳥インフルエンザは2つの意味でヤバい。
・ 1つ目は生息地が限定されている野鳥は、インフルエンザに限ったことではないが強毒性の発症・感染・また発症によって一気に絶滅の危険性が高まること。例えば、仮に鹿児島県出水市のツルが全滅すると、全世界に生息するナベヅルの8割、マナヅルの5割が死ぬ算段となる。
・ 2つ目は1つ目の理由から派生するが、野生動物の絶滅の危険性を下げるためにはその生息地を増やす必要があるが、増やす場所を確保するにあたって鳥インフルエンザの存在は「地元」に抵抗感を植えつけるに十分であること。現在日本での絶滅危惧種の大多数は「生息地の消失」が絶滅の危険性を上げる主因となっているが、その生息地を回復させようと思うとやはり社会の協力、とまではいかずとも(暗黙も含め)同意が要る。実際には原生林だろうが湿原だろうが農耕地だろうが都心部だろうが、鳥の来ない場所なぞほとんど存在しないので、広域レベルの視点で捉えれば誤差以下の話なのだが…。
最後は自然屋視点になってしまったな。