●安心するのはまだ早い
ソフトバンクがばんえい競馬を支援するという話がある。最後まで残った主催団体である帯広市と協議に入るらしい。
しかし、これで安心するのはまだ早すぎるというものだ。過去、高知、高崎が同じように競馬廃止の危機になったときにライブドアという企業が参入して、結局何のノウハウもないため失敗したという歴史を思い出して欲しい。まあ、ソフトバンクは岩手競馬に既に手を出しており、
それなりの成果を出しているという点で雲泥の差かもしれないが。まあ、それにしたところでこれからの岩手競馬の見通しは明るいとは思えない。(参考資料、
「新しい岩手県競馬組合改革計画」)
帯広市だけで単独開催するとして、これまで使わせてもらっていたAibaやハロンズなどの場外馬券売り場は引き続き使わせてもらえるのかとか、帯広通年開催になるが競馬場にそもそも人が来るのかとか、インターネット投票を推進していくのだろうが、ギャンブルとしての面白さを満たすだけの情報は発信できるのかなど問題は多い。1場だけで競馬を開催するというのは、その1場だけの馬券の売り上げで生産者や調教師や騎手や馬主やその他諸々の競馬にかかわっていく人達の生活を支えねばならないということを意味するのだ。
端的に言うと、競馬のもつ「血統の連続性」やら「レース体系による競走馬の序列の構成」やらそういう要素をガンガンアピールしてギャンブルとしての連続性というものを作らないことには、単なる観光客頼みのイベント競争になってしまって収支どころの話ではなくなるという話。
単にばんえい競争がなくなるのが見たくないというならばトップ8頭だけ残して、月に1回ぐらいのお祭りで走らせればいいのだ。観光資源としてしかばんえい競馬を使わない(使えない)ならそうすればいい。
ばんえい存続というのは、経済集合体としてのばんえい競馬の維持存続であることに廃止反対論者の人には気がついて欲しい。