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大沢在昌氏の「天使の牙」という本がある。私はこの本がとても好きだ。
よーするに小説で、思い切りフィクションなわけだが、緻密な構成と感情の動きを丁寧に書いてあるのでリアリティというか、嘘か本当かの前に引き込まれる。
ジャンルがこれまたわからない。この人の作品は、「新宿鮫」が有名だが、とても思い切った発想をする人なので、ハードボイルド作家とか、エンターテイナーとか言われているが、この作品は私の中では恋愛小説かな。そんな言い方があるかどうか知らないけど人間小説と言ってもいいかもしれない。
単なる恋愛小説と違って、主題となるストーリーがまったく別に存在していて、それがまた面白い事とも引き込まれる要因だろう。
細かな内容はこの雑記の数少ない訪問者の中に、これから読む人がいるかもしれないので割愛するが、人は愛する人の姿形が変わっても愛せるのか。自分の姿かたちが変わっても、心はかわらないでいられるのか。愛する人がいる時の感情がとても心に染みる。
病気になって…とか、怪我をして…なんて小説はそこら辺にゴロゴロあるし、私はそういう病気物の感動本は嫌いだ。
怪我をして姿かたちがかわった恋人を愛して、寄り添い続けるなんてものは現実にも沢山ある話だが、かえってうそ臭く安っぽいドラマのようで読む気になれない。
そんなんじゃなくて、姿かたちがまるきり別人になってしまうのだ。自分がまるきり別人になった時、愛する人がそうなった時、それでも自分を相手を愛し続けられますか。
中身が変わらなければそれでいい。現実を目の前にしたとしても本当にそう言えますか。
変わってしまった当人の心だって、前とまったく同じでいられるはずはない。例えそれが、凄く美人になったとしても。
この本は、続編があり、「天使の爪」というのが出ている。
副題である恋愛の部分はこの2作で完結しているので、もし読む人がいれば是非こちらも読んで欲しい。2作読んだ上で結論を出して欲しい。
私の書いたものを見て読んでみようと思う人がいるのかは甚だ怪しいが…。
私には今、心から愛する人がいる。その人がもし心を除いて別人になったら。。。それがキレイになっても醜くなっても愛する心は変わらない…だろうなぁ。自分が変わったら…それでも前に進み続けられるだろうか。。わかんないなぁ。