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この前の台風で紀伊半島が大変なことになっていて、その時に色々と考えていたこと。
・ 緑はダムの代わりにはならない。緑が人工林だろうが自然林だろうがダムの代わりにはならない。事実だろう。
・ ただ、現行1000万haある人工林は、自然状態(自然林ではない)と比較すればかなり保水能力は低く、そして降雨に弱い。ちゃんとした施業を行っていれば別だろうが、戦後の拡大造林の中で植えた木は苗そのものにも問題がある(挿し木なので直根がないetc)。
・ 「自然の森を伐採して杉や檜を植えた」は正しいが、「自然の森の木のあった所に杉や檜を植えた」は間違い。元々岩盤しかない所、大水の出る渓流沿い、大木など育ちようがなかった急傾斜地だの崩れだのにも植えた、が正解。なぜそんな劣悪な環境に植えたか ヒント:当時独立採算でウハウハな林野庁
・ 深層崩壊と表層崩壊という単語がちょいちょい飛び回っているが、これと人工林との関係はあるなし両方、両方とも正誤を判断できる材料なし。
・ 自然的には問題だが災害面からはじゃあどうすればよかったのか。どんな山ならば自然災害は起こらない、まで行かずとも被害を減ずることができるのか。短期的・中長期的にカネをかけず、可能な限りメンテナンスフリーな「自然の盾」を整備し…むにゃむにゃ。妙案は出ないな。もう「林野」の範疇で考えるのも限界なのかもしれない。崩れは崩れで放置すべきなのか。しかしそうすると砂防堰堤も不要ということにならないか、さてどうなのか。
・ 一番楽なのはそこに財産も人名も置かないことなんだがな。
・ 林野庁もカネがない中、昨年度にある程度ゾーニングを始めたところ。残された管理できない場所はゼロ回答という素薔薇しい民主党プランを見て苦笑いするしかなかったんだが、本当にどうしたらいいものか。