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以下、またも「のうりん」2巻の後の感想。農学部だったりそっち方向に就職(就農?)している人ならより笑えるんじゃなかろうかというネタ多め…だがそういう人でラノベを読む人はどんだけいるんだろうな、大学と就職先でほぼ(授業で習うとか本で読む程度だが)ひとかじりしている自分は大いに笑ったしツボに入ってしまった。
前巻では不安しか覚えなかったが、農と林檎そっちのけで四天農ネタ延々とやってくれると自分としてはそっちの方がいいんだがさすがにそれは無理として、この高校を卒業した生徒が農業経営に従事すればTPPも怖くないだろうなと半分本気になりながら思った。特に金上の逞しさは全国各地から引く手数多かと思われる、っつーかこういうヤツこそ今の地方に必要なんだろうがとさえ思うわ(半分マジ)。
(でもTPPで公共事業も非関税障壁撤廃なんてことになったら造園科は危ないかも。)
「この景色の中に、自然なんてどこにもないんだよ」から数ページは不覚にも涙しそうになった。一巻を読んだ時に、日本における農業の立ち位置まで触れるのかなーとか思っていたら本当に触れた。ほんの少しだけだったが、かなり冷徹なモノだった。日本で農業をやることが当たり前ではないという冷徹な視点に立つ農家のタマゴの、それでも日本で農業をやることの答えには、ちょっとだけ感動した。未成年、それも高校生とは思えない答えだったがオトナではこの答えは出せないのかもしれない。その後オチが色々とダイナシにするのだけど。あと、岐阜県に色々な点で謝れ。
しかし、四天農(5人いるが)の中で林業工学科の扱いがヒド過ぎる。先日も書いたがこの日記書いてる中で読み直したがやっぱりヒド過ぎる。大事なことなので2回言った。
森ガールとかそんなチャチなもんじゃあねぇ、他学科が一応、片鱗でもその道の未来ある「産業」として学んでいるのを読み取れるのに、この学科だけ産業、ダイレクトに言うと林業のことがまともに描写されていない(唯一やってる描写のあるキノコ栽培は現在ほとんど生物工学の方だし、シイタケは中国産に市場取られてもらい泣き状態)。
大体、林業工学科の三専攻が「林産、木工、環境」って、後ろ二つ林業ですらないじゃねぇかよぉ…岐阜県でも林業はオワコンなのかよぉ…頼むよ金上、岐阜の杉と檜を製材業者から全国の住宅に届けるプロデュースをだなぁ…。
つかね、あらためて読み返すとね、林太郎の
「自然を愛しているからに決まってんだろうがああーッ!!」という叫びから、そのままさっきも紹介した耕作の台詞
「この景色の中に、自然なんてどこにもないんだよ」を読むと、もうお姉様涙で何も見えません状態ッスよぉぉ…いや、さすがにフィールドが違うよな、林業工学科のフィールドは高校のあるところのさらに山奥の山奥だよな? な? …そこに自然があるかどーかは知らないけど。
というわけで、田舎の旅行番組を取り上げる度に定冠詞のように「豊かな自然に囲まれた」とか棒読みするマスゴミ関係者にも、どこの何が良いのか聞いててさっぱりわからん里地里山賛美歌を奏でる御用学者にもおススメでき…るかどうかは知らんがおススメの「のうりん 2」(GA文庫)だった。あと校歌は電車の中で盛大に噴き出した。
最後に非常に怖いことを考えてしまったが、F組のみなさんのあまりに世間から隔離されたバックがありありと伺えるアレな言動の数々を見ていると、ひょっとして
円柱の体積の求め方を
直径×直径×高さと教わっているんじゃあるまいな…いや、まさか、ヘタしなくても平成生まれの子供たちだもんね、ねぇ?