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読売新聞より
「エスカレーター逆走…1段に3人以上「想定外」」
事故機は、78段のステップで7・5トンの荷重に耐えられる設計で、ステップ2段に体重約65キロの大人3人が乗った状態だ。事故当時、仮に1段に3人が乗っていたとすれば、荷重は10トンを軽く上回る計算になる。
ステップ2段に3人まで耐えられる→仮に1段に3人が乗っていたとすれば荷重オーバー、という展開に悪意のある誘導を感じる。
先にも書いたように、2人幅に見えるエスカレーターですらステップ1段に2人ずつきっちり乗ると荷重オーバーなのだ。何も1段に3人乗るなどというおよそ無茶な曲芸状態を仮定しなくてもよい。
「1段に3人乗ると重量オーバー」という非現実的な例えしか言わないことで、窮屈だがまだ常識的な範囲と世間では思われるであろう「2人幅のエスカレーターに1段に2人ずつ乗ること」の危険性が読者には伝わらないので役に立つ報道ではなくなっているのだ。
常識的な範囲では、余裕で乗れるフットプリントさえあれば標準的な大人がそこを埋めても設計上の重量オーバーにはなるまいという思い込みがある。それが本当に単なる思い込みでしかないという事が今回の事件のキモであるというのに…。
今後の事故防止という意味では、今回本当に1段に3人乗っていたのかどうかなどという事は問題ではないのだ。