SUSHI ON THE MOVE!
我々のプロジェクト発足当時には、怪しい日本食屋が沢山あったのだが、今は殆ど
潰れたとのことだ。
その代わりに寿司だけは定着したらしい、ちょっと気取ったスーパーのお惣菜コーナー
には寿司のテイクアウトがあり、ワインコーナーには寿司と日本語で書いてある白
ワインがおいてあるくらいである。
ま、ここまでなら寿司が定着したとも言えないが、さらにはアジア系料理屋でも
無い店が、寿司を出すのである。
実際に見てみると不気味だぞ「ケープタウン・フッシュマーケット」なんて洋風
(南ア風)の店に、いきなり回転寿司のカウンターがあるからな。
で、どんな寿司かと言うと、もろ南ア仕様。
まず、酢飯には酢が効いてない。さらに手作りおにぎりのごとく米を押し固めた
ソレに、べたっと具が張りついている。止めに、たっぷりのわさびを溶いた醤油
にこいつを浸して喰うのだ。
最初食ったときは、これを罵倒するネタを書こうと思っていたが、よくよく考え
てみると、こう言う仕様になったのは理由があるんだよな。
まず南ア人は酢飯は嫌いらしい。あと、わさびの辛さはアジア人でも嫌いな人が
多いと聞く。そうなるとわさびは気が抜けた味になるし、わさびの辛み以外の風
味を感じる為には、たっぷりと溶いてつける必要が出てくる。
# それがおいしいのかは別にしてな。
そして、米を押し固めている理由は、米の質の問題もあるが、こうしないと箸に
不慣れな南ア人に喰えないからだと思う。
ここで、南ア人=不器用式の構図で切り捨てるのは、ちょと違うと思う。寿司の
場合、手で食えばいい食品だからだ。
しかし、周りの南ア人はみんな箸を使う。ひょっとすると箸で喰うこと自体が彼
等にとってイベントであり楽しみなんじゃないかと思う。
吉野家のコピペじゃ無いが「よぉし、お父さん箸使っちゃうぞ、なんて言ってる
の、もう見てらんない」みたいな世界だ。
こうしてみると、南アで寿司って本当に馴染んでるんだなぁ、と思わず微笑まし
く優越感を感じてみたりする。
まぁ、日本人の海外料理の強引な「日本食化」に比べれば、まだマシな気もする
が…ま、一つの料理が他の国に馴染むと、オリジナルとはかけ離れた別の世界が
生まれるってとこですかね?
追伸)
さて、真面目に語るのもアレなので、罵倒もしておこう。
まず、あまりにも不気味過ぎるはカニカマである。これだけは訳がわからん。
まぁ、寿司ネタに出来る様なカニを継続して維持するのは困難だと思うが、なぜ
そこまでしてカニカマにこだわるのか?
ついでに、このカニカマ、死ぬほどまずい…一度冷凍して輸入しているせいか、
どう解凍しようが水分が抜けてスポンジ状になっているのである。
まぁ、日本のカニカマが過剰品質な気がせんでもないが…わざわざCrabとか書く
んじゃねぇ、期待するだろうが…うっうっうっ(<-なにか悲しかったらしい)
後は、刺身が分厚いのである。単三乾電池サイズのサーモンなんぞ、どうすりゃ
いいのか?こりゃ、わさび醤油をたっぷりつけないと食えんわ。
白状すると、カルフォルニアロール方式のMAKIはなかなかいける。この国はアボ
ガドがいけるのである。その代わり南ア式にどっぷりと醤油をつけることになるが…