あー、ポッドうまい。駄目だ…どんどんポッドにハマっていく。
さて、直火式エスプレッソよりも簡単な飲み物がポッド式のエスプレッソである。
俺は最近、インスタントコーヒーの如くにこいつを飲みまくっている。休日の朝、帰宅し
た時、人が来た時、暇な時…こいつを飲んでから、直火式エスプレッソをいれるなり、
エスプレッソを飲まずに作業をしてみたり、と何かをはじめるのである。
直火式エスプレッソと違い、ポッド式と言ってもポンプで抽出する一般的なエスプレッソ
である。
予めメーカーによって紙製のポッドに豆が詰められており、こいつをエスプレッソマシン
のホルダーにセットして、抽出して、あとはポイのお手軽なシステムである。
この「予めメーカーによって」粉が詰められているのがミソである。
粉の選択肢はメーカー次第になるから、挽き立ての豆を使うとか好みの豆を使う、なんて
ことは出来ない。さらにポッドは一杯60円前後もする。
そんな訳で、あまり趣味性も選択肢もあるとは言えないのだが、ポッドもポッドで魅力が
あるので気に入っているのである。
まず、ポッドは一回分がアルミ製パックに個別包装されており、こいつが一年は持つ。
開封した豆は壮絶な速度で劣化する。メーカーもこれは理解しており、劣化しても変な味
にならないようにブレンドするなどの対策に苦労をしているが、劣化は避けられない。
これに対して唯一の対策は「豆が新鮮なうちに使い切る」ことである。
対して個別包装のポッドは開けた時は使う時である。一年やそこらは保存出来る。だから
複数の種類のメーカーのポッドを買っておきその日の気分でメーカーを換えて遊べるのだ。
カフェポッド専門店
Mr.Podを覗いてみてほしい。
この店は「ただ手に入った物を並べている」訳ではない。いろいろなメーカーからより
選りのポッドを提供している店である。実際にはもっと複数のポッドが手に入る。
それぞれのメーカーはそれぞれのブレンドを競い合い切磋琢磨しており、それぞれの味に
個性がある。
ま、まとめてしまうと、「一種類の豆を新鮮なうちに使い切り、次は種類を切り替える」
か「複数の豆を保存しておき、必要に応じて選ぶ」かである。
ま、ポッドと粉を併用すれば良いだけの話なので、両方の良いとこどりも可能である。
「ポッドのことも忘れないで上げてください」って落ちでどうだろう?
そんな訳で「本格ポンプ式」のエスプレッソで簡易なポッドを使い、「お手軽家庭用の
直火式」で豆を挽いたり詰めたりして遊ぶと言う、なんだか矛盾したエスプレッソ生活
を送ってる俺がいたりする。
さて、本題である。
ポッドに詰める豆に対するイタ公のこだわりは俺の想像の域を遥かに越えている。これが
俺をコーヒーの世界に引き戻した原因である。
前述の通り、ポッドはいろいろなメーカーが出している。各メーカーのポッドで、本当に
味が違うのだ。嘘だと思ったらMr.Podで
お試しカフェポッドを買ってみるといいと思う。
各メーカー、味の違いが強烈でそれぞれ個性を誇っている。俺はMusetti ROSSAと言う
「コーヒー豆で下等と言われている」ロブスタ種が40%も入っているブレンドを好む人間
なんで、別に至高の味がわかる訳でも、求めている訳でも、ない。
ただ、このMusetti ROSSAはこの味がうまいと思うから入れたんだろうし、また、この
味が好きな奴がいるんだと思う。
好きなもんを飲めば良いと良く言うが、その好きな物を提案してくれる世界は少ない。
さらに俺の好きな味が多数派である保証はない。そんな中で、こんな多数派でないものが
存在することは楽しいとしか言いようがない。
さらにロブスタ種が蔑まれる日本で「ロブスタ種にはエスプレッソには重要だ」と選んで
輸入した奴も偉い。プロだ。
いくら日本でMusettiが知名度が高く、ポッドが賞味期限が長いとは言え、在庫を抱える
デメリットはつきまとうのである。そこまでして「ポッドの多様性」を維持してくれてい
る人がいるのも凄い。
そう言うプロの仕事を間近に味わえると言うだけで、俺は幸せなのである。