実はかつての修行先の方々から御相談を受けるなんてことがある。
御相談といってもほとんどが「きいてくださいよー」ってやつ。

めんどくさそうにしてたら、めんどくさくないようにするためのヒントとか
つまんなそうだったら、隠れ面白情報とかを御提供してみる。
まあそれでだいたい話は済む。

最近とある人物が台風の目みたいになっていて
周囲の人がとても迷惑しているというお話が聞こえてきた。
複数人から「厄介なんだよ～」と御連絡をいただいた。
あれま大変そう。

というわけで大変だとはっきり口にする方には
対処できそうな人物の御紹介と立ち振る舞い方について御指南申し上げた。
そんな台風にいちいち付き合ってられるほど、皆さん暇ではないし
巻き込まれる必要性なんかどこにもないから。
そしてその辺について相互理解が成立しているから、私のアドバイスも生きる。
これなら特段問題ない。

困っちゃうのが「そうじゃない」場合。
ちょっと特殊かもしれないけど。

台風付近にいるとある方から、台風的人物についてぼやく連絡がきた。
ぼやきや嘆きならいいんだけど、なんかみなぎってる感がある内容に少しびびる。
「私が何とかしてあげなくちゃと思っています。あのままじゃだめ！」
それだけなら勝手にそうすればいいのになんで私に連絡よこしたんだろう？
はてなになりつつ文章を追うと、オウ（笑）
「というわけであの子がよくなるようなアドバイスをください！」
全力でノーです！（笑）

まだ御本人からどうしたらいいでしょうとくるなら
見えてる範囲の出来ることを伝えるくらいはしますが、
第三者がどうにかしたいってそれはおせっかいだからごにょごにょ。
だってその本人は、そうしたくてしてるんだから。ねえ。

というわけで
変えてあげようなんておせっかいだからやめたほうがいい
それよりあなたがその人を見ていて不快なら、
見ない努力と離れる努力をしたほうがいいんじゃないかなと伝えてみた。
自分の周囲に人がいなくなれば
普通の感覚の人なら「あれやっちまったかな」と気づくからと。

そしたら予想の斜めあさっての返事がきた。
「不快なんかじゃないよ。あの子いいこなんだよ！」
はあ？じゃあなんで皆辟易してんですかね？（笑）
そしてあなたもなぜ人格改造しようと目論んでるんですか（笑）

というわけで「こういうことしてると聞いたけどどこがいい子なの？」
と聞き返すことから始める私。
それに対してしどろもどろの返答をしたりあさっての話に振ってごまかそうとする相談者（笑）
きりがないので「そんなにいい子で好きだと思うならどこまでも寄り添ってあげたら？」
とごり押ししたら、返事が無くなった。
おい。どうした。
なぜ他人の後押しがないと人付き合いができないのか。意味わからん。

で。まあ。程なくして台風の目は去っていったんだけどね。
そしたら去った後に相談者から連絡がきた。
「なんか場の空気が明るくなりました。みんな元気になったよ。」
私は目を細めて速攻で返事をした。
「要するにみんなその人が嫌いだったんだよ。あなたもでしょう？」

嫌いでいいと思うのよ、嫌いなら。
いやな空気だなと思うなら、それはいやな空気なの。
そんなこと思っちゃいけないと思うことがやばいと思うのよね。
だってそれって現実逃避だもんね。

「いや」だから「どうにかしたい」のよ。
（そのどうにかしたいも自分がどうにかするのよね、そいつ自身はどうでもいい）
「すき」だから「どうにかしたい」はちがうのよ。
だってすきならそのままをすきでいてあげればいいんだから。
そのたたずまいはない、と思ったらその部分と付き合わない。それだけ。

多分相談者さんが「嫌い」と認められないのは
自分にも同じような部分があって
それを理由に人から嫌われるのがこわいんだろうね。
だからこそ認めない。
いい子なんだから許してあげようよとか謎の方向へ突っ走る。
えー。
いい子なら何してもいいんだったら警察いらねーよなまじで（笑）

というわけで「嫌い」をしっかり感じようねとにこにこするのでした。てへ。