このホテルで一つ気に入っていることがある。
ホテルのラウンジの飲みものは考えたくないほど高いのが相場だが、このホテルはびっくりするくらい
安い。
カクテルやハウスワインで一杯20ランド(400円)くらい、コーヒーやカプチーノはもっと安くて、下手な店
と変わらない。
カクテルは英語力次第でいくらでもカスタマイズしてくれるし、ワインも頼めば結構な奴をグラスで売って
くれる。いくらでも粘れるし、いくらでもほっておいてくれる。
「店に入るまでもないが、部屋に戻る前に一杯くらい呑みたいな」と言う時にちょうど良い。
さらに、ここの払いはサイン一発で部屋につけといてくれるのだが、俺は現金払いにしている。
なぜって?いざ払う時に、他人のつけが入ってることが無茶苦茶多いのである。
酔っ払いに数字とサインを書かせるのは、非常に難があるシステムだと思うが…その割には、ホテルの
人間はこの制度に絶対の自信を持っていて、「証拠を出せ」と考証する羽目になる。
ミニバーの場合、サイン制ではないので、口論することになる。
まぁ、(当然だが)大体ホテルが折れてくれるのだが、なかなか面倒である。
時々「俺もわかりにくい数字を書いてごまかせるかやってみよう」とか思わなくもないが、なんとなく
仁義に外れる気がするので、やらないのである。
なぜこういう話をいきなり始めたかと言うと…
今日、宿泊料を払った…一流ホテルとは言え、高いのぉ。
額は秘密だが、壮絶に高いのである。おかげで、出張の度に、海外増額したり、引き落とし日を計算
したり、他のカードを使ったり、手持ちの現金を掻き集めたり、カード破産寸前で自転車操業をして
チャリンカーな気分が味わえて非常にお徳…でもないか。
まぁ、クレジットカードのポイントだけは壮絶に溜まるがな…そもそも、このホテルは俺のカードで
長期滞在出来るようなホテルじゃないんだよね。
かと言って、日本でカードトラブルが起こったことを考えると、それほどカードの限度額は上げたく
ない…どの道、俺の収入じゃ大したカードは持てないし。
そんなわけで、なんとなく支払いの日は負け犬な気分を満喫出来るのであった。